ニューロロジカルレベルの考え方からは、行動や能力を根本的に変えるためには、自己認識・セルフイメージを変えることからしないとだめ、ということでした。では、自己認識・セルフイメージを変えるためにはどうしたらよいのか?という話です。

これには、脳の安定性と可塑性が大きく関わります。安定性は人間の「安定したい」、「変わりたくない」という性質です。自分が慣れ親しんだ習慣、環境、考え方を変えたくないというものです。

一方で、可塑性は「少しずつなら変わっても良い」という性質です。どうしてこの2つがあるのかを脳の仕組みから説明してみると、記憶というものが、脳の神経細胞(ニューロン)同士のつながりの強さから生じるものだからです。

ニューロンのつながりは、そこに流れる電気信号の強さと頻度によって形成されるので、一度くらい弱い信号が流れても、あまり変わりませんが、強い信号が何度も流れれば、少しずつ、つながりができていく、つまり新しい記憶が形成されることになります。

習慣とか考え方というのは、記憶の一種ですから、強さと頻度を加えれば、少しずつ変えられるということになります。

ということは、自己認識・セルフイメージを変える一番オーソドックスな方法としては、自分が定着させたい自己認識・セルフイメージを、ひたすら繰り返しインプットしていくことになります。

インプットとは、その状態を頭の中でイメージしたり、言葉に書き出してみて黙読を繰り返したり、言葉に出して読んでみたり、五感の全てを使って自分の脳に入れ込むことを言います。トレーディングに関して言えば、「ゾーン」のマーク・ダグラスによる「私は一環した勝者である」という最終的に目標とする信念を始め、それ以外の副次的信念と呼ばれるものや、5つの真実を、繰り返しインプットするということになります。

これはとりもなおさず、毎日欠かさずインプットするという、「行動」をすることに他なりません。インプットする行動を欠かさず繰り返すことで、自己概念・セルフイメージが変わっていき、自己概念・セルフイメージが変われば、トレーディングの行動・能力が変わって行くという、循環に他ならないわけです。


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